2022年9月に発売されたアップルの最新型イヤホン「AirPods Pro (第2世代/型番 MQD83J/A)」のノイズキャンセリング性能、特に「エアポッズプロ2で周囲の音をどのくらい消せるのか?」という部分が気になっている人向けの実機レビューです。

Apple AirPods Proは初代が2019年に発売され、その圧倒的なノイズキャンセリング性能が高評価であったことは、もはや解説するまでもないでしょう。

AirPods Proシリーズは2022年秋時点で、2019年の初代AirPods Proと2021年発売のAirPods Pro (第1世代/Magsafe対応版)、そして2022年のAirPods Pro (第2世代)という3種類があります。2019年と2021年モデルのAirPods  Proは充電ケースの違いだけで、イヤホンとしての性能は同等でした。

 

2022年の新型AirPods Pro2もイヤホン本体の外観はそれほど変わっていませんが、第2世代はノイズキャンセリング機能の向上・電池性能の向上・充電ケースに新機能が追加されるなどの進化版となっています。

一度使うともう手放すことができなくなる、AirPods Proのノイズキャンセリングがどれくらいの効果があるのか、実際にさまざまなシチュエーションで初代AirPods Proと聴き比べた評価を解説します。

AirPodsPro2で人の声は聞こえなくなるか?

2022年モデルAirPodsPro2では、初代AirPodsProに比べてノイズキャンセリング性能が最大2倍になると公式に書かれています。

この”2倍ノイズキャンセリングが効く”というのがどのような状況で性能を発揮するのか、いろんな状況で聴き比べてみました。

まず人の声の場合をAirPods Pro2で打ち消すことが出来るのか試しました。

テスト評価方法として「静かな場所で人の声を聞いた場合」や「周囲に人が大勢いる場所でどののくらい静かに感じるか」、それぞれイヤホンで音楽を再生したまま・停止した状態でAirPods Pro2を使ってみました。

まず、イヤホンから音楽を流さず静かな場所で人の声のみを聞く場合一般的に想定される会話の声の大きさであっても、AirPods Pro2を装着しても声はある程度は聞こえます。”AirPods Pro2を使えば人の声が全くしなくなる”なんてことはありません。

AirPods Pro2のノイズキャンセリング性能は、人の声に対してそれなりにノイズ軽減効果はあります。具体的には耳を軽く手で塞ぐくらい/低品質な耳栓を装着している場合くらいの効果、という感じです。2~3メートル以内くらい近距離で会話をしていれば、会話の内容を普通に聞き取れるはずです。それ以上離れている・声が小さめならば、人の声はかすかに聞こえるくらいまで低減されます。

一方で、音楽を流しながらノイズキャンセリング機能を有効にした場合、周囲に居る人が会話をしていてもリスニングの邪魔にならない程度であるとも感じられます。人の声自体は聞こえていても、音楽を大音量にせず自然に聞くことが出来るレベルには、周囲の人の声は軽減されています。

初代AirPods Proと比べた場合、高音域の声は初代でも第2世代でも聞こえてきます。全体的には第2世代のほうが若干ノイズキャンセリング性能は上がって感じられます。ただし、人の声に対して2倍(音が半減して聞こえる?)というほどではありません

他社製品と比べて場合、正直に言ってBose QuietComfort Earbuds (初代)のほうがAirPods Pro2よりも人の声に対して、同等かそれ以上のノイズキャンセリング性能を発揮します。

QuietComfort Earbudsも業界最高峰のノイズキャンセリング性能を謳い、特殊な形状のイヤーピースが耳にぴったりと密着することで、高音域のノイズキャンセリング性能もかなり高めです。

「人の声をノイズキャンセリングイヤホンを使って消したい」という目的でイヤホンを選ぶなら、AirPodsPro2とBose QuietComfort Earbudsは甲乙付けがたいという評価です(Boseのイヤホンも2022年モデルがありますが所有していないので未評価)。

メーカー定価
39,800円
メーカー定価
36,300円
メーカー定価
38,800円(終売)

*2022年10月30日時点のメーカー定価。Bose QuietComfort Earbuds(初代)は終売しています。

AirPodsPro2で電車の音は消えるか?

近くに居る人の声に対しては「聞こえなくなるということはまず無い」というレベルでしたが、ここからがAirPods Pro2を含むノイズキャンセリング性能があるイヤホンの本領発揮です。

AirPods Pro2を装着して走行中にノイズキャンセリング機能を有効にすると、主に車輪から発せられる低音の轟音をかなりのレベルで消すことが出来ます。全く無音になるということはありませんが、イヤホン無しに比べて7~8割は静かになるという印象です。

イヤホンで音楽を再生する場合は、静かな場所で聴く場合と同じ音量のままで十分に自然なリスニング体験が出来るでしょう。

AirPods Pro2を装着して線路のすぐ横を歩く/踏切を渡る場合には、列車の通過に気づかないほど静かになることはありません。しかし、やはり列車の「ゴー」という大きな音はかなり軽減され、”ガタンゴトン”とやや高めの振動音も小さくなります。遮断器の音が聞こえなくなることもありませんので危険は無いでしょう。

毎日の通勤通学で電車に乗ることが多い、線路の近くに住んでいて環境音がうるさいという場合には、AirPods Pro2のノイズキャンセリングは非常に効果的です。初代に比べても性能が上がって感じられますので、電池が長持ちになったことと合わせて日々の体験を優先するなら新型を買う価値があるという評価です。

AirPods Pro2新機能「適応型環境音除去」の効果は?

2022年モデルのAirPodsPro第2世代の新機能として、「適応型環境音除去」という新モードが追加されました(iOS16以降で利用可能)。

この機能を使うと「サイレンや電動工具などの騒音強度を最小限に」抑えるとされています。この機能を使うにはイヤホンを長押ししてアクティブノイズキャンセリング→外音取り込みモードに切り替えることになりますが、実際にオン/オフを繰り返して最大出力の掃除機の音や最大音量のスマホスピーカーで音楽を耳元で鳴らしてみても、特に効果は感じられません(大音量だと鼓膜に害する可能性があるため、一般の方は試さないようにしてください)。空港の滑走路近くで離陸・着陸機の騒音も聴いてみましたが、効果があるのかどうか聞き分けることは出来ませんでした。

AirPods Proを利用するユーザーは普段からノイズキャンセリングをオンにして利用するでしょう。外音取り込みモードをオンにしたタイミングで、たまたま近くで鼓膜が破れるほどの大音量が生じた場合になら意味があるのかもしれませんが、AirPods Pro2の適応型外部音取り込みは日常的な場面ではあまり意味のない機能のようです。

ということで、適用型外部音取り込みには過度な期待をしないほうが良いかもしれません。

AirPodsPro2を安く買う方法

新しいAirPro Pro2は初代の発売当初に比べて円安の影響を受けて、30,580円→39,800円へと大きく値上がりしました。音楽にこだわりのある人になら「4万円なんてオーディオ機器としては安い」といえるのかもしれませんが、一般人にはなかなかの負担です。

Apple AirPods Pro2を正規ショップから安く買いたい場合、アマゾンのタイムセール祭りや楽天市場のポイントアップ(SPU)が狙い目です。最大で1割以上お得に買える可能性があります。

☆「アマゾン AirPods Pro 第2世代

☆「楽天モバイル公式 楽天市場店 AirPodsシリーズ

正規ショップからの購入に拘らない場合、定価よりも2割近く安い在庫が新古品として流通しています(2022年10月30日時点)。

☆「Yahoo!ショッピング AirPods Pro2 MQD83J/A

[AirPodsPro2実機レビュー]人の声・電車の音は聞こえるか?第2世代ノイズキャンセリング性能評価