ZenFone3 Ultra ZU680KLには2300万画素というスマートフォン用の中でもかなり高性能なカメラ機能を搭載しています。
ZenFone3シリーズの特徴でもある「レーザーオートフォーカス」による高速なピント合わせ・OISとEIS(光学・電子)手ブレ補正機能を採用するなど、カメラには力を入れているASUSのフラッグシップ技術をチェックするために、Apple iPhone7, Xiaomi Mi5と暗所撮影の比較を行ってみました。
【ご注意】以下、各画像をクリックするとオリジナルのファイルを見ることが出来ます。ファイルサイズが大きくなる(1枚あたり1MB~4MBほど)ため、モバイルデータ通信利用時にはパケット料金にご注意ください。定額プランの加入・固定回線での接続時に閲覧することをオススメします。
暗い場所での撮影比較
ZenFone3 Ultraにはいくつかの撮影モードが用意されています。今回は室内において豆電球のみを点灯させた暗い部屋で、同じ被写体を複数のモード・機種で撮影して比較してみましょう。
*以下、全ての比較用画像はトリミング(切り抜き)のみを行い、加工・色彩調整は一切行っていません。
まずはZenFone3 Ultraにて普通に明かりをつけた状態での写真です。オートモードにて撮影、被写体までの距離は30センチ程度となっています。設定条件は{f/2, 1/40秒, ISO-783-ファイルサイズ1.41MB}
被写体は大きさ10センチ強のナノパズル・ブラックパール号です。私のお気に入り。
さて、では部屋を暗くします。
オートモードのまま撮影。船の影は見ることが出来ますが、画質も荒く細部は全く判りません。設定条件は{f/2, 1/8秒, ISO-3200-ファイルサイズ1.16MB}
続いて、暗所撮影用に用意された「ローライト」モードで撮影してみます。
先程よりは少しマシになりました。海賊船の模様も少しだけですが見て取れます。設定条件は{f/2, 1/2秒, ISO-3200-ファイルサイズ241KB} 。シャッタースピードが0.5秒まで伸びており、ISOの感度もかなり高めに設定されていますね。
今回の撮影環境では部屋は非常に暗いため、ローライトモードでは足りませんでした。続いてもっとハッキリ撮影するためにマニュアル撮影モードへ切り替えます。
設定は{f/2, 10秒, ISO-400}に固定して撮影すると、上記のように細かい所までくっきりと撮影が出来ました。10秒間という露出時間のため手持ち撮影は出来ない条件となりますが(今回はすべてスタンドに立てかけて撮影しています)、海賊船土台の「Black Pearl」の文字も読めます。
設定は{f/2, 20秒, ISO-100}に固定し、少しホワイトバランスを変えてみました。この条件でも船首の天使の羽も視認可能ですが、露出10秒の場合と比べてあまり改善したようには見えません。
通常、この暗さでの撮影になるとコントラスト差によるフォーカス調整を行うシステムのカメラでは真っ暗になってしまいピント合わせが出来ないこともありますが、暗い環境でもZenFone3 Ultraではレーザーによるピント合わせが可能です。これはレーザー方式ならではのメリットと言えそうです。
ただ、レーザーでフォーカスをあわせても画面上は真っ暗なので、「どこにフォーカスをあわせているのかすら判らない」状態ではピント合わせに失敗することもありました(苦笑) 上記はちゃんとフィギュアにピントがあっていますが、実はミスショットもあります。
iPhoneではマニュアルモードが標準カメラアプリにはありませんので、オートモードのみです。
撮影条件は{f/1.8, 1/4秒, ISO-1600, 露出補正+2.1ステップ}となっています。ZenFone3 Ultraにおけるローライトモードに近い条件での撮影となっていますが、iPhone7にはより明るいF値 1.8のレンズによりこのままでも船体の模様が見えます。流石にノイズは大きいですが、オートモードでの比較ならばZenFone3 UltraよりもiPhoneのほうが鮮明と言えます。
Xiaomi Mi5にはZenFoneと細かい設定が可能なマニュアル撮影モードがあります。
まずはオート撮影。撮影条件は{f/2, 1/13秒, ISO-3200}となっています。ほんのり船のシルエットは見えますが、オートでは暗すぎて使い物になりません。
こちらはMi5のマニュアルモードにて条件を{f/2, 16秒, ISO-16}になっています。拡大してみるとよく分かるのですが、ISOがとても小さいまま撮影出来ていますのでノイズがほとんどありません。ZenFone3 Ultraのマニュアルモードに比べても遜色ない綺麗な写真になっています。
ただ、Xiaomi Mi5ではフォーカスは真っ暗な状態では合わせることが出来ませんでした。今回は一度照明をつけてからフォーカスを固定し、照明消灯後に長時間露出撮影を実施しているのです。この点ではZenFone3のレーザーフォーカスに分があります。
ここまでは色彩調整・加工は一切していません。さらにフォトショップ等で色調調整をしてやれば、明るい照明下で撮影したもののように修正も出来ます。
流石に明るい状態で撮影したものと全く同じというわけにはいきませんが、ZenFone3 Ultraのマニュアルモードを使えば、ルームライトの豆電球一つの部屋でもこのような写真が撮れます。
今回は室内撮影のみで比較しましたが、後日夜景やイルミネーション撮影も実施してみたいと思います。