屋外での写真撮影に強い効果を発揮するiPhone7のHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)撮影の方法を紹介します。HDR機能を使うと、一眼レフカメラよりも簡単に曇り空や逆光撮影が可能になり、お手軽に記録を残すことが出来ます。

img_0980

以下、いくつかの写真をこのページでは掲載していますが、画像をクリックすると撮影したオリジナルのサイズ(無加工)で表示出来ます。データ容量が大きいため、パケット料金に注意してください。固定回線・Wi-Fi環境での閲覧をオススメします。

HDRとは?

iPhoneであれば2010年モデルのiPhone4からずっと搭載されているHDR機能は、同時に複数枚の写真を撮影して風景内にある明るい場所・暗い場所それぞれをハッキリと写して合成することが出来ます。

一般的には逆光環境での撮影・夜景の撮影などによく使われます。iPhoneだけでなく、最近のスマートフォンであればほとんどの機種に搭載されているはずです。

iPhone7のHDR設定方法

iPhone7(iOS10)の場合、写真カメラでは最初からHDR機能がオン(自動)になっているはずです。iOS10でHDRを切り替える方法は非常に簡単で、撮影画面上のメニューにある「HDR」の文字をタップし、

iphdrsetting

【自動・オン・オフ】のそれぞれをタップするだけです。

img_0536

HDR機能を使うと、デフォルト設定のままでは合成に使った複数の写真をiPhone上に保存するため、メモリー容量を圧迫してしまうことがあります。そんなときには【設定】→【写真とカメラ】→【HDR 通常の写真を残す】のチェックを外すと、合成後の写真だけが保存されるようになります。

hdrset

これでHDR撮影の準備は整いました。では実際にHDR機能を使った写真を紹介しましょう。

HDRオン・オフの作例

まずはiPhone7と撮ったHDRが機能していない、通常の写真です(クリックでフルサイズ 4.95MB表示)。

img_0360

 

木に囲まれた公園の通りでのワンショット。林の間に空が見える構図なのですがストリートの光量に比べて空が明るすぎるため、空が真っ白になってしまいました。

そこでHDR機能をオンにします(オリジナルサイズ 4.61MB)。img_0361ストリートや林の緑の明るさはほぼそのままに、今度は空の青色が判別出来るようになりました。明るい空・暗い林のそれぞれに露出値を調整した写真を合成して、曇り空のスナップショットもキレイに撮ることが出来ます。空だけに・森だけに明るさを合わせただけでは表現出来ない、色鮮やかな写真を作り出しています。

一眼レフカメラとの比較

続いて同じ現場を一眼レフカメラ(デジイチ)で撮影した写真です(オリジナルサイズ 1.25MB)。

img_4733-same-ip撮影はマニュアルモードで行っているため、私の調整が悪かっただけではあるのですが・・・iPhone7の写真よりも林の明るさは暗すぎ、空が白飛びしてしまっています。露出時間は1/125秒、ISO 100, f/6.3という設定になっています。

iPhone7でHDRを使わずに撮影したものと似た明るさになっており、空の青さが全くわからない写真になってしまいました。

iPhone7で撮影した写真と一眼レフカメラで撮影した写真の一部を切り出して比較してみると、明らかにiPhoneの方が画質が高くなっています。

ipkiss

左がiPhone7, 右がデジイチ(Canon EOS Kiss X7)です。iPhoneでは葉っぱの形・明暗がハッキリしているのに対し、デジイチの方は暗い場所では色が潰れてしまっています。

ただ、これで「一眼レフとiPhoneを比べて、iPhoneの方が写真がキレイ」ということを言いたいのではありません。なぜなら、実は一眼レフの方は「広角撮影した写真の一部を切り出している」からです。

本来の一眼レフの写真は以下のものです(オリジナルサイズ 6.87MB)。

img_4733

iPhone7で撮影したものと全く同じ場所から、このような写真が撮れます。使用しているのは10mmの広角レンズ(35mm判換算で16mm)です。上下左右、iPhoneで捉えている風景の2倍くらいのワイドな写真を撮っていたのです。

img_4733-cut

iPhone7で撮影できるのは上記の青枠の中のエリアです。iPhoneでデジイチカメラと同じエリアを1枚の写真に収めようとすると、数メートルは後ろに下がって撮影しなければなりません。もちろん立ち位置を下げて撮影すれば、遠い場所は小さくしか写らず、解像度が落ちていきます。

私の調整不足でデジイチでは空の白色が潰れた写真になってしまいましたが、これも後からフォトショップで補正しようと思えば出来ます。

一方でiPhone7ではパノラマ撮影も出来ますので、合成さえすれば広角写真を撮ることも可能です。デジイチではカメラのレンズを交換することにより高倍率のズームから、広いエリアを撮る「広角撮影」が出来るという根本的な違いがありますので、iPhoneとデジカメのどちらが良いという話自体がナンセンスです。

簡単に言えばレンズの交換で対応するか、デジタル的な処理でなんとかするかという違いですね。交換レンズの場合は取り付け・持ち運びの手間がありますし(さらに交換レンズは結構お高い)、iPhoneのデジタル処理にしても限界はあります(パノラマ写真で全く継ぎ目をぶれないようにハンド撮影するのは至難の業)。

ただ、やはりこのようなHDR機能を使わなければならない逆光・曇り空の撮影は圧倒的にiPhoneの方が楽に、きれいなスナップ写真が撮れます。一眼レフカメラをいちいち持ち歩いて散歩をするわけにもいかないので、iPhoneはどんなシチュエーションでもすぐに綺麗な写真が撮れて素晴らしいですね。

iPhone7で逆光・曇りがちな空をキレイに写真で撮る方法 HDR撮影効果をチェック

Tagged on: