2016年モデルのiPhone7/7 Plusはカメラ性能が従来の機種よりもパワーアップしています。画素数は1200万画素(12Mピクセル)でiPhone6s/6s Plus, iPhone SEと同じなのですが、iPhone7シリーズでは「レンズの明るさ」が違います。

img_0980レンズの明るさは「F値」という数字で表現され、一般的には「数字が小さいほど、同じ環境で明るい画が撮れる」ということになります。細かい説明は省きますが、F値が小さく、明るいレンズのカメラを使うと室内・夜景撮影などの暗い環境でもノイズの少ない写真が撮れると言われています。

歴代iPhoneのカメラスペック比較

モデルiPhone7iPhone7 PlusiPhone6s iPhone6s PlusiPhone SEiPhone6iPhone6 PlusiPhone 5siPhone5iPhone4s
メインカメラ新しい12MP新しい12MP
(デュアル)
12MP12MP12MP8MP8MP8MP8MP8MP
インカメラ7MP7MP5MP5MP1.2MP1.2MP1.2MP1.2MP1.2MP0.3MP
手振れ補正光学式光学式---光学式------光学式---------
f1.81.8+2.82.22.22.22.22.22.22.42.4
構成レンズ6枚6枚5枚5枚5枚5枚5枚5枚5枚5枚
光学ズーム---2倍------------------------
ビデオ撮影4K(30fps)4K(30fps)4K(30fps)4K(30fps)4K(30fps)HD(60fps)HD(60fps)HD(30fps)HD(30fps)HD(30fps)

iPhone7のレンズには「f/1.8の開口部」という表現をされるものが採用されており、iPhone6s/6s Plus~iPhone SE, iPhone5sなどは「f/2.2の開口部」のレンズが使われていました(iPhone5ではf/2.4)。これまで数年間ずっと「f/2.2」だったレンズの明るさが変わった影響を確認してみましょう。

iphone7test1

(クリックで画像拡大)

ガラスのおもちゃを5センチおきに配置して、接写してみました。全く同じ構図でiPhone5s, iPhone SE, iPhone7で撮り比べています。ホームページ用に大きく画質を落としてるため「画像の綺麗さ」は伝わらないと思いますが、設定なしのオート撮影で露出時間とISO感度に差が出ています。明るさや色の補正は一切せず、そのまま掲載しています。

iPhone7では露出時間が1/17秒と長く、ISOの感度を下げてノイズの少ない写真になっています。5sとSEではシャッターが1/30秒に短く調整され、露出時間が短くなった影響をカバーするためにISO感度が200まで上がっています。

露出時間を長くすると手振れが発生しやすくなるのですが、iPhone7には光学式手振れ補正が搭載されているため、このような設定になるのでしょう。手振れ補正は2015年モデルのiPhone6s Plusにも搭載されていますが、5sやSE、過去の4.7インチモデルには搭載されていなかった新機能です。

さらにiPhone7 Plusが手元にあれば「望遠・広角のデュアルレンズ」を使ったボケ味を比べてみたくなるところですが・・・残念ながら管理人はまだ7+を持っていませんので、比較は出来ません。iPhone7と5s, SEのボケ味はほとんど今回の撮影では差がわかりませんね。

ちなみに、一眼レフでF1.8の明るいレンズを使うとこうなります。

kiss18(F1.8, 1/60s, ISO=200)

iPhone 5s, SEに合わせてF2.2に絞ると、、、

kiss22

(F2.2, 1/60s, ISO=400)

もっと絞ってF3.2

kiss32

(F3.2, 1/60s, ISO=800)

シャッター時間が同じまま明るさを維持するためにISO感度が上がっていきます。この程度の小さな画像であれば目立ちませんが、よ~くみるとノイズが大きくなっていっていることが判るはずです。

F値を1.8→2.2→3.2へ上げていく(絞っていく)と、少しずつ後ろにあるイルカの姿がくっきり映るようになっていきます。これが絞りの効果ですね。iPhoneのカメラでは絞りをいじることは出来ませんのでこの辺りが一眼レフの面白いところなのですが・・・。

話がそれ過ぎました。iPhoneのカメラの話に戻しましょう。

カメラのレンズや性能だけでなく、iPhone7から「クアッドLED」という4つのLEDを利用したフラッシュに変更されています。

DSC_0228

光らせなくても違いは一目瞭然です。iPhone SEでは縦長に2個のLEDが配置されているのに対し、iPhone7では丸い枠に2×2個のLEDが並んでいます。

DSC_0229

左がiPhone7のクアッドLED,右がiPhone SEです。色合いは7の方が若干黄色み掛かっています(非常に明るいので、直接目でLEDを見つめないようにしましょう)。LEDが4つに増えたからといって「2倍の明るさ」というわけではないですが、このLEDには光のちらつきを感知するセンサーが仕込まれているということなので、画像の補正に影響しているそうです。

新しいiPhone7シリーズは確かにこれまでのiPhoneよりも一歩進んだ高いクオリティの写真が取りやすいカメラに進化しているようなので、カメラを重視する人はiPhone7を選ぶ一つのポイントにしてみると良いでしょう。


F1.8に明るくなったiPhone7のレンズで試し撮り iPhoneSE,5sと比較

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