利用者が多ければいいという問題でも無いのですが、やっぱり気になる格安SIMサービスの実際に利用者数についてまとめています。

MVNOを提供する企業は沢山ありますが、その規模は大小様々です。人気のあるサービスは急激に利用者が増えて回線速度が遅くなったりすることもある一方、人気がある=安定したサービス・サポートが期待出来るということでもあります。

ここでは各社が公式に発表しているデータおよびMM総研が公表した調査データをもとに、各社の契約回線数を一覧にしてみます(公表数値データがある企業のみ)。2017年分から遡って探せる各社のデータも一部記載しています。

*MVNOではありませんが、2021年から始まったキャリアの「20GB新ブランドプラン」の契約数も追加しました。

サービス名回線数ソース
楽天モバイル(MNO)7,000,000(2024.04)/MVNO含
6,000,000(2023.11)/MVNO含
5,000,000(2023.08)/MVNO含
4,540,000(2023.03)
4,110,000(2021.09)
3,660,000(2021.06)
2,850,000(2021.03)
1,620,000(2020.12)
1,120,000(2020.09)
650,000(2020.06)
公式決算資料・リリース
(契約者数)
/2023年データはMVNO含む
アハモ(ahamo)
5,000,000(2023.06.07)
2,000,000(2021.11)
1,800,000(2021.08)
1,000,000(2021.05)
公式決算資料・公式リリース
ワイモバイルおよそ7,000,000(2021.08)決算説明会
IIJmio1,178,000(2022.06)
2,821,000(1H2019)
2,039,000(2017.9末)
1,856,000(2017.3末)
公式リリース
MVNE等を含む/
2022年はMVNOのみと推測されます
mineo1,260,000(2023.12)
1,220,000(2022.07)
1,210,000(2021.01)
1,170,000(2020.01)
1,130,000(2019.01)
982,000(2018.3.23)
900,000(2018.1.18)
680,000(2017.5.29)
500,000(2017.1.13)
450,000(2016.11)
360,000(2016.8)
公式ファンサイト内告知
ニュースリリース
povo1,000,000(2021.07)決算説明会
楽天モバイル(MVNO)990,000(2021.09)
1,140,000(2021.06)
1,480,000(2021.03)
1,830,000(2020.12)
2,020,000(2020.09)
2,200,000(2019.10)
1,400,000(2017.11.1)
1,000,000(2017.8)
391,000(2016.3)
公式プレスリリース
MM総研レポート
*MVNOのみの数
楽天モバイル(申し込みベース)5,000,000(2021.08.23)
4,100,000(2021.05.11)
3,510,000(2021.03)
3,000,000(2021.03.09)
2,010,000(2020.12)
1,430,000(2020.09)
1,000,000(2020.06.30)
公式決算資料・リリース
(申込数ベース)
2021年分はMVNO含む
LINEMO500,000未満(2021.08)決算説明会
b-mobile110,000(2017.10)
2017.03よりSB回線を含む
9万回線台(2017.3)
160,000(2014.9)
決算説明会資料
MM総研レポート
UQモバイル2,000,000(2020.01.26)公式リリース
(累計契約者数)
ビッグローブモバイル310,000 (2016.3)
233,000 (2015.3)
MM総研レポート
OCNモバイルONE(新規受付終了)
1,113,000(2016.3)
738,000 (2015.3)
MM総研レポート
DMMモバイル楽天により買収、
新規受付終了
240,000(2019.06.30)
200,000(2016.10.15)
100,000以上(2015.12.20)
公式プレスリリース
Uモバイル2020.02.06を以って
新規受付終了
762,000(2017.3)
686,000(2016.9)
703,000(2016.3)
520,000(2015.9)
388,000(2015.6)
174,000(2014.12)
公式プレスリリース
決算説明資料
(2018年以降情報開示無し)
(プリペイド回線含む)

*公表時期がずれているものもあるのでご注意下さい。

株式会社MM総研が発表した2020年9月末時点の調査結果から、契約者数データ未公開のMVNOサービスのシェアをざっくり割り出すことが可能です。

2020年9月末時点でMVNOの総契約回線数は約1536万回線。シェアNo.1は楽天モバイルのMVNOです。それぞれのシェア割は、

・1位 UQコミュニケーションズ 16.8%
・2位 楽天モバイル 13.3%
・3位 IIJ 12.8%
・4位 NTTコミュニケーションズ(OCN) 10.0%
・5位 オプテージ(mineo) 7.9%
・6位 ビッグローブ 4.8%

とされています。

この数字と各社が公式で発表している契約者数を比較すると、

楽天モバイルMVNOは1536万×0.133=204万回線となり、2019年10月公表値(220万回線)よりやや減っています(MNO参入の影響で減少していることが推測されます)。

mineoの場合には1536万×0.079=121万回線となり、公表値(120万)とほぼ一致しています。

公式には最新の契約者数を公開していないサービスの場合も、

・IIJmio 1536万×0.128=約197万回線
・OCNモバイルONE 1536万×0.100=約154万回線
・ビッグローブモバイル  1536万×0.048=約74万回線

このような契約者数(2020年9月末時点)であることが推測されます。

参照:https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=468

2023年6月末の動向

2023年6月、OCNモバイルONEの運営がドコモに移ったことで、新規受付を停止するという大事件がありました。最大手の一つが陥落したことで、今後MVNOとしてのシェアが大きく動きそうです。

前項と同様に、MM総研は2021年3月末の統計を発表しています。同時点のMVNO総契約回線数は1261.6万回線とされており、2020年よりも減少しています。

また、順位も入れ替わりました。

・1位 IIJmio
・2位 NTTぷららコミュニケーションズ
・3位 楽天
・4位 オプテージ
・5位 ビッグローブ

*「UQモバイル」の運営が2020年10月にUQコミュニケーションズからKDDIに統合されたため、調査対象外になっています。

考察(2021年5月時点)

2021年春、携帯業界は大きな料金プラン変革期を迎えました。大手キャリアによる新料金プランブランド・サブブランド・MVNOともに料金プランを大きく改定・値下げをしたサービスが出ており、シェアの変動が見られます。

大手キャリアのスマホ料金が軒並み値下げしたことでMVNOにとっては厳しい状況になってきており、ネットワーク・サービスの安心感が強い新ブランドプランへ移行するユーザーも増えているようです。

新ブランドプランではドコモの「アハモ」が100万を突破、KDDIの「povo」は具体的な数字は明らかにしていないものの「100万回線が見えている」と会見で発表しています。

サブブランド・MVNOではありませんが楽天のMNOプランも順調にユーザーを伸ばしています。サービス開始に伴うキャンペーン・特典の大盤振る舞いにはやや陰りが見えてきたものの、直近ではiPhone 12シリーズの発売・iPhone正式対応により、さらにシェアを拡大する準備が整ってきています。

考察(2020年1月時点)

2019年後半から2020年にかけて、乱立されてきたMVNOの淘汰がいよいよ本格的に始まってきたという印象があります。

直近の動きではDMMモバイルが楽天モバイルによって買収、U-mobileがサービス受付を終了(新規サービスの開始予定があるとの情報)するなど、過去にそれなりの知名度を持っていたサービスすらも、事業を維持できなくなってきたようです。また、大手MVNOであっても契約者数の伸びが鈍化している傾向が見られます。

一方では、MNOの3Gサービスの終了・5Gサービスの開始を見越した動きも見えはじめており、「キャリアは料金が高い・大容量プランなんて不要」という印象を持ったユーザーがMVNOへ流れる余地があり、3G回線を継続して利用しているユーザーの奪い合いがMNO/MVNO間でも加速するのかもしれません。

考察(2019.7月時点)

2019年時点では楽天モバイルがシェアを伸ばし、利用者シェアトップになっています。さらに2019年9月1日よりDMMモバイルの運営が楽天に変更されることが発表され、グループとしては200万回線を突破する見込みです。

なお、楽天モバイルは2019年10月から自社回線(MNO)サービスの開始、MVNOからMNOへのサービス移行を推奨していることから”MVNO”としてのシェアが大きく変わる可能性があります。

関連記事:楽天モバイル自社回線(MNO)に変わるとスマホが使えなくなる?サービス変更時に注意

考察(2018.3月時点)

2018年時点のトップはOCN・楽天・IIJ(法人回線含む)の3強となっています。特に倒産(正確には民事再生申請だそうですが)したフリーテル(プラスワン・マーケティング)から顧客を引き継いだ楽天モバイルが躍進を見せています。また、2018年夏までにはmineo(ケイ・オプティコム)は第4の100万回線突破MVNOになることがほぼ確実視されます。

OCNモバイルONEの具体的な回線数は2年前のデータ(公表はしていないはずなので、MM総研のシェア率からの推算)が最後となっていますが、最近は特にSIMフリースマホとの格安セット販売キャンペーンを多数展開しており、利用者数は当時より数割は増えているものと推測されます。

直近の業界で起こった大きな動きとしては、回線数を公表していないので上記には含んでいませんが、LINEモバイルがソフトバンクと業務提携を結んだことで、「第二のワイモバイル」的なサービスの登場があるかもしれません。すでにソフトバンク回線を利用したMVNOは日本通信の「b-mobile S」もありますが、LINEと組むことによって一気にシェア拡大をする可能性も出てきました。UQ/ワイモバ然り、キャリアの傘下に入ったMVNOは他の格安SIMサービスの回線品質を大きく上回るレベルになることも期待できます。

考察(2017.5月時点)

各社順調に契約数を伸ばしているサービスが多く、MVNO市場全体が大きくなっていることが良くわかります。1年程度の期間で回線数を数割~2倍近く増加しているサービスもあります。

日本通信(b-mobile)は例外的に自社サービスの展開からMVNE(他のMVNOへの接続サービスを仲介するようなポジション)に方針適用しており、ソフトバンク網を2017年から扱い始めたりもしており、今後の成長が見込まれます。

一方で、回線数が非公表なので本リストには掲載していませんが、キャリアのサブブランドとしてのワイモバイル・UQモバイルは圧倒的な回線安定品質で他のMVNOを凌駕しており、MVNO対サブブランドの争いが本格化もしています。

さらにドコモでは2017年5月より基本料金が月額1078円となるシンプルプランの導入、端末割引ではない “docomo with”の導入など維持費が格安SIM並になるような料金体系も作られており、節約志向のスマホユーザー争奪戦はさらなる激化をしそうです。

☆「最安月額302円でスマホ追加契約が可能”docomo with”(ドコモ・ウィズ)割引のお得な運用方法を解説

考察(2016.2月時点)

具体的な契約者数情報は出ていませんが、2015年時点では格安SIM全体のシェアトップはOCNモバイルONEです。公表されているものではIIJmioが100万回線超えですが、シェアが大きく変わっていなければ2015年末で100万-130万回線程度の利用者数がいるはずです。

また、具体的な契約者数は発表されていないながら、楽天モバイルもある程度のシェアを獲得しているはずです(mineoと同じくらい?)。

2015年3月時点のシェアランキングは(MM総研レポート)、1位はOCN,次いで IIJmio, BIGLOBE, b-mobileの順番でした。2015年3月時点で20万回線を超えていたBIGLOBE、17万回線だったb-mobileを2015年末時点ではmineoが超えているということはないでしょう。でも、今後はmineoがこの2社を上回る可能性は高そうです。

b-mobileの日本通信はVAIO Phoneでの大失態が響き、2015年はなかなか厳しかった模様。後半では「おかわりSIM」という低価格な変動性プランを出していますので、その効果が今後出てくるかもしれません。

比較的新しいサービスのためランキングには入っていませんが、新端末・キャンペーンもバンバン出していますので、フリーテルも契約者数を伸ばしていそうです。

2016年中にIIJmioがOCNを抜く可能性も高いでしょう。ミリオン超えのIIJとOCNのツートップはしばらく揺らがないと予想されますが、現在の加入数10~50万回線あたりの比較的新しいサービスでも順位の入れ替わりがありそうです。注目株は「mineo」「楽天モバイル」「freetel」の3社ですが、他社も大型キャンペーンで一気に契約者数を伸ばす可能性もあり(例えばSo-netが始めた0SIMはかなり衝撃的でした)、激しい競争が続きそうです。

[2024年最新動向]格安SIM(MVNO/サブブランド)各サービスの公表契約数(回線数・契約者数・利用者数)情報まとめ