2017年12月時点において、iPhone6/6 Plusシリーズ以降のモデルに対してアップルが行っていた電池性能低下に関わる処理性能抑制(アップデートによる動作の遅延)について、アップルが公式に発表した声明と日本国内における対応についてまとめておきます。
主に海外で話題になったバッテリーに関するトラブルですが、日本を含む全世界で対応が取られることがアナウンスに書かれていますので、オリジナルソースと共に日本のiPhoneユーザーはどうすればよいのか、勉強しておきましょう。
アップルによるお詫び・予告の内容
まず、今回のトラブルの始まりと公式アナウンスに関するニュアンスをおさらいしておきましょう。
本件はユーザーによるフィードバックから問題が大きく広がりました。複数のユーザーが電池が劣化したiPhoneと、電池を交換した後のiPhoneでパフォーマンスに違いがあることに気付き、「アップル(iPhone)は古いiPhoneを意図的に性能低下させ、新機種への買い替えを促しているのではないか」という懸念が広がりました。
これに対し、アップルは2017年12月28日付で、各グローバルサイトおよび日本の公式サイト上に謝罪メッセージと対応予定を掲載しました。
Apple(英語)- A Message to Our Customers about iPhone Batteries and Performance
Apple(日本語)- iPhoneのバッテリーとパフォーマンスについて、 お客様にお伝えしたいこと
アメリカと日本のサイトで書いてあることは同じです。主なコンテンツは、
・今回のトラブルに対して、アップルへの期待を裏切られたと感じたユーザーへのお詫び
・バッテリーの経年劣化に対する概要
・バッテリー性能が低下したiPhoneの処理性能低下は、予期しないシャットダウンを防ぐためのソフトウェア的な仕様であったこと
・公式のバッテリー交換費用の値下げ告知
・今後のソフトウェア更新による、動作管理改善予定
となっています。
一つ一つの文章をユーザーが熟読する必要はありませんが、簡単に要約すると、
電池が消耗したiPhoneが予期しないシャットダウンをしないようにするための処理(ピーク負荷時の電力管理を向上させる)をソフトウェアアップデートで行ったが、これが一部ユーザーにとって不評だった。この懸念による信頼失墜を回復するために、iPhone6以降の全機種に対してバッテリー交換金額を2018年12月まで8,800円→3,200円に値下げする。また、バッテリー状態および経年劣化時の処理に関するアップデートを今後提供する。
ということが書かれています。
現時点で対象のiPhoneを使っているユーザーは、電池性能・処理性能に異常を感じていない場合には、特に何もする必要はありません。
電池交換修理対応は2018年初頭以降開始
2017年12月28日時点では、アナウンスにあった電池交換修理対応およびソフトウェアの改善(アップデート)は2018年の初頭(Early in 2018)に提供されるとの予告のみが出ており、具体的な提供開始日は1月初旬~2018年12月31日までです。
→1月上旬より日本国内での対応が始まりました。Apple Storeでのバッテリー交換の予約はこちらから出来ます(要Apple ID。その他サポート各種は「https://getsupport.apple.com/」を参照ください)。
詳しくはアップルの公式サイトで再度告知をするとしていますので、バッテリー交換・ソフトウェアの更新が必要なユーザーは引き続き情報収集を続けましょう(情報が入り次第、当サイトでも紹介します)。
修理対象モデルは「iPhone6以降のモデル」
今回のトラブルの原因となった「ピーク負荷時の電力管理を向上させるソフトウェアアップデート」は、2014年モデルのiPhone 6/ iPhone6 Plus以降のモデルに提供されており、以下のモデルが対象になっています(2017年12月時点)。
iPhone 6/ iPhone 6 Plus/ iPhone SE / iPhone 7/ iPhone 7 Plus/ iPhone 8/ iPhone 8 Plus/ iPhone X (全容量・全販売キャリア)の、電池交換が必要なiPhone
上記以外、2014年より前に発売されたモデル(iPhone 3G/3GS/4/4S/5/5s/5c)およびiPadシリーズ類は対象外となります(これらの旧モデルには対象のアップデートが提供されていないため)。
また、バッテリー交換がそもそも必要ない場合は、ソフトウェアの更新だけで問題が解決される予定となっています。
予定修理価格と修理対象の条件
バッテリー交換費用 | iPhone5sまで | iPhone6以降 |
AppleCare+ の保証対象 |
0円 | 0円 |
保証対象外 | 8,800円 | 8,800円 →3,200円 (2018年12月末まで) |
なお、バッテリー交換だけでなくディスプレイの交換・基盤修理などが必要な場合は上記以外の料金が掛かることもあります。詳しくはアップルストアおよび正規修理対応サポートにて確認してください。
対象機種はすべてのモデルとされていますので、ドコモ・au・ソフトバンクやSIMフリーモデルで購入したものでもすべてが対象になります(海外モデルの場合は国内で修理できるかどうかは未確認。たぶん大丈夫だと思いますが…)。
iPhoneのバッテリー修理は街の修理屋(非公式)でも安く交換することが出来ますが、今回の公式値下げにより非公式の電池交換を行うメリットは減少したと言えるでしょう。非公式修理店で使われているバッテリーは一般的な利用には差し支えがないものの、Appleの純正品ではなく、性能は純正に劣り、アップルの正規保証対象外になることもあります。
iPhoneの下取りでiPhone8の買い替えも安い
さて、iPhone6/6 Plusなど3年以上前に発売されたモデルに対しても安く電池交換が出来ることは、古いiPhoneを大切に使ってきたユーザーにとっては朗報とも言えますが、かと言って無料で電池交換をしてくれるというものでもありません。
今回のソフトウェア更新による性能劣化はアップルの落ち度にしても、iPhone 6/6 Plusは今後何年も使い続けられるような端末とは言いづらいです。そこで新しいiPhoneにそろそろ交換したいな、と思っているのならば有料の電池交換で延命するよりは、iPhone6を下取りに出して値引きに使い、iPhone 8への機種変更をオススメします。
各社のiPhone 8(64GB)の販売価格と下取りは以下のとおりです。
iPhone 8 64GB | 本体価格 | 機種変更 基本割引 |
iPhone 6の 下取り適用時 |
ドコモ | 88,776円 | 月々サポート -57,672円 |
下取り1.3万円 →実質18,104円 |
au | 91,440円 | 毎月割(最大) -64,080円 |
下取り1.7万円 →実質10,800円 |
ソフトバンク | 94,320円 | 月月割 -67,440円 |
下取り+CB 17280円相当 →実質9,600円 |
*iPhone6の下取り割引額は2017年12月30日時点、通常品(画面割れや故障がない場合)の査定額を参照しています。iPhone6以外の査定・詳しい販売価格は各社の公式HPで最新情報を確認してください。
以上のように、各社の月額値引きを適用できるプラン(2年契約時)に加入さえしていれば、最新のiPhone8の購入負担は他機種に比べて優遇されています。上記は一般的な月額割引分と下取りのみを考慮していますが、他にも割引や購入特典を利用して、もっと安く買い換えることが出来ます。
ドコモオンラインショップでiPhone8の価格・割引情報をみる
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ソフトバンクオンラインショップでiPhone8の価格・割引情報をみる
iPhone6/6 PlusとiPhone8/8 Plusでは処理能力には倍以上の差があり、おさいふケータイ機能対応・防水対応・ワイヤレス充電対応・カメラ性能のアップ・指紋認証の速度/精度向上(感圧式ボタン)など、大きな進歩がありました。
iPhone 6s/6s PlusやiPhone7/7 Plusはまだまだ現役で使える性能・機能を持っていると思いますが、3年を超えた古いモデル・月々サポートなどの2年間続く割引が切れている場合は、新しいiPhoneへの機種変更を推奨します。