2017年9月22日より販売開始となったものの、多くのショップでは在庫が全く入荷することのない状態が続くApple Watch Series 3(GPS+ Cellular)では、すでに各社のサービスが正式に運用が開始されていますので、LTE通信が可能になったという新しいアップルウォッチがどのようなサービスを契約して、どのように使うことが出来るのかが判明しました。

発売前の時点で発表されていた状態では以下のような動作について、管理人も実際の挙動がどうなるのか興味がありました。

Q1. 格安SIMサービス(MVNO)の回線で利用できるかどうか
Q2. サブキャリア(Yモバ・UQモバイル)の回線で契約できるか
Q3. キャリアでApple Watch Series3を契約したあと、ペアリング回線をMNP(解約)するとどうなるのか
Q4. キャリアでApple Watch Series3を契約したまま、ペアリングしたiPhoneのSIMを他機種に入れるとどうなるのか
Q5. キャリアでApple Watch Series3を契約したまま、ペアリングしたiPhoneに別のSIMを入れるとどうなるのか
Q6. iPhone以外の端末で契約しているキャリアの回線で(SIMをiPhoneに入れ替えて)ペアリングが出来るか
Q7. iPhoneの電源が切れている/圏外(Apple Watchだけ繋がる状態)だとどうなるのか
Q8. 複数のApple Watchを同時にペアリング・契約できるか

この8点について、アップルウォッチ3を買って確かめようと思っていたのですが・・・購入前にすべての疑問の解答が判明したので、各挙動について2017年9月25日時点の情報をまとめておきます。

Apple Watch Series3の予約後入荷連絡待ち報告所・すぐに買えるショップ在庫情報はこちらで随時更新中→2017年Apple Watch Series3 予約/入荷連絡・在庫状況まとめ

A1:格安SIMサービスではApple Wachの通信契約は不可

2017年9月のApple Watch Series 3の電話番号共有サービスは、国内においてNTTドコモ・KDDI・ソフトバンクの3社のみが提供しています。ドコモは「ワンナンバーサービス」/auは「ナンバーシェア」/ソフトバンクは「Apple Watch モバイル通信サービス」というオプション契約が必要となり、それぞれペアとなる親回線契約が必要となります。

関連記事:docomo/au/SBのApple Watch Series3用サービスプラン・料金を比較

従って、現在3大キャリアの回線を契約していない人はApple Watch Series 3 GPS+Celluarモデルを購入しても、時計単体での通話・データ通信機能を使うことは不可となります。

現時点ではMVNO、いわゆる格安SIMサービス各社でApple Watch用の電話番号共有用サービスを提供する予定はどこからも発表されていません。将来的にはどうなるのか分かりませんが、格安SIMだけを契約中の人はGPSモデルで従来通りのBluetoothペアリングによる連携しか使えないと考えましょう。

ちなみに、海外でもローミングサービス・現地で日本の3大キャリアのようにApple Watch向けの正規サービスプロバイダーの契約をしないかぎり(海外・現地プリペイドなども当然NGでしょう)、海外でApple Watchのセルラー機能を使うことも不可です。

A2:サブキャリアでは電話番号共有サービスが使えない

前項のとおり、Apple Watch Series3のCellular機能を使うためにはキャリアの回線/オプション契約が必須となります。ソフトバンク傘下のワイモバイル/KDDI傘下のUQモバイルでは、残念ながら現時点では電話番号共有オプションの提供がされていないため、Apple Wathc Series3による単体通信/通話機能はワイモバイル/UQモバイルユーザーでは利用することが出来ません。

ワイモバイル/UQモバイルではiPhoneの販売は行っています。2017年10月からは現在のiPhone5s, iPhone SEに加えてiPhone 6s(32GB/128GB)の取扱も決定しているため、ぜひアップルウォッチのサービスも提供して欲しいところです。

☆「UQ mobile キャッシュバックキャンペーン

☆「ワイモバイル

A3:ペアリングのMNP・解約時の扱い

CellularモデルのApple Watch Series 3では、キャリアの回線とペアリングする時に本体に内蔵された「eSIM」に、ペアリングした携帯電話番号と同じ情報が書き込まれることによって通信/通話機能を実現します。ペアリングを行ったiPhone回線の契約を変更した場合どうなるのか気になっていました。

この扱いはおそらく3社ともに同じですが、ソフトバンク・ドコモに問い合わせた結果では、

・Apple Watch Series 3のオプションはペアリングした回線が解約状態(MNPも含む)になると、自動的に解約・登録解除される
・その時、アップルウォッチのeSIM情報も解除され、そのまま次のペアリングが出来る状態になる
・ペアリングが継続したままの状態で他社の電話番号共有を同時にすることは出来ない(SB側の契約を本人が解約/解除してペアリングを更新する必要あり)

このような結果でした。ペアリングの親回線が解約されていれば、Apple Watch Series3の契約情報が残ったまま中古状態の在庫が市場に出回り、購入者が利用できないという状況は発生しないことが判り、ちょっと安心です。

ドコモでワンナンバー登録解除をするには、以下のような方法手順を案内されました。

【iPhoneから】:[Watch]アプリを起動 → 設定 → モバイル通信 → 連携中のサービス名「ドコモ」の横にある(i)を選択→「ドコモプランを削除」を選択 → 注意事項を確認後、「ドコモプランを削除」を実行

一応何もしなくても登場自体は解除されるので実用上の問題は無いかと思いますけれど、一度でもペアリングをさせたアップルウォッチを譲渡・売却するのなら確実に登録解除を自分自身で実行・確認しておくべきです。何らかの登録情報を呼び出す方法・削除されるまでの時間的ズレがあると大変ですので。

一方、ペアリングした親回線のオプションを解約しないまま他者が購入・利用してしまった場合はペアリングしている元の購入者(サービス契約者)に利用金支払いの義務が生じます。もちろん第三者が使うことは利用規約外ですが、責任は元の契約者にあるためアップルウォッチの取扱・中古売却時は十分に注意してください(例えば家族が勝手に使ったり、盗まれたりして利用されるケースも救済されない可能性があるため。このことはソフトバンクの重要説明事項にも明記されています)。

通常時はアップルウォッチのオプションは契約者が解約手続きをしなければずっと更新されて続きますので、Apple Watchを使わなくなったら必ず解除申請を行いましょう。

中古のApple Watch Series3が白ロム状態であれば当然ながらキャリアのiPhone/回線契約があれば電話番号共有サービスを申し込み、利用が出来ます。

A4:iPhoneのSIMを他機種に入れてもApple Watchは使える

この項目はキャリアの問い合わせではわからなかったのですが、「ケータイWatch」にて、まさに実験をされた結果が掲載されていました。

ドコモのSIMカードをiPhoneに挿し、Apple Watchをペアリングした状態でeSIMに電話番号を書き込む。ここまでは、通常の手順と変わりがない。  この状態でiPhoneからSIMカードを抜いてGalaxy S8+に戻し、Apple Watchを母艦であるiPhoneから切断した。すると、Apple Watch的にはiPhoneが見つからない状態になるため、LTEでつなが る- 超小型携帯電話としての「Apple Watch Series 3」

これはすごいですね!ペアリングするときに必ずiPhoneが必要にはなるものの、iPhoneだけでなく他のスマホも同時に使いこなしたい人にとっては便利に使えそうです。

ただ、自由にSIMを入れ替えて全く問題がないかというとそうでもないようです。続いてQ5の疑問もケータイWatchの解説で氷解しました。

A5:iPhoneに別のSIMを入れてもApple Watchも使えなくなる可能性あり

ただし、iPhoneに別のSIMを入れてペアリングすると、Apple Watch側のeSIMが無効になってしまう。これを回避するためには、iPone側のBluetoothを切る必要があった

Apple WatchとペアリングされたiPhoneの通信状態はキャリア・またはAppleによって管理されているらしく、連携に使ったiPhoneを別の回線で通信させたことをApple Watchが感知すると、Apple Watchのセルラー機能が使えなくなってしまうとのことです。その別回線もApple Watchと連携済みであれば別番号でセルラー機能が有効になります。

そのままApple Watchで最初にペアリングさせた電話番号を継続利用するためにiPhoneのBluetoothが使えなくなってしまうというのは少々厄介です。

やはり、基本的にはアップルウォッチとペアリングさせたiPhone, SIMはそのままの状態で使うのが良いようです。

A6:対応プランで契約中なら、iPhone契約時のSIMでなくてもOK

Apple Watch Series3のセルラーオプションを有効するための条件は、各キャリアともに「通信契約+データプラン」に加えて電話番号共有オプションに加入することだけです。

従って、例えばAndroidスマートフォンで契約したSIMカードをiPhoneに挿して(該当SIMで使える状態)、オプション加入/契約手続きによるペアリングを完了させれば利用が可能となります。機種変更のタイミングでまだiPhoneへ買い替えが出来ない状態でも、どうしてもApple Watchを使いたいのであれば中古のiPhoneを白ロムさえ入手すれば対処が可能ということです。

*対応プランに未加入である回線・3G用SIMやデータ専用SIMの場合は電話番号共有への加入が不可となります。

A7:iPhoneが使えない状態でもApple Watchは利用可能

これはそのまま、そのとおりです。SIMの状態が有効であるとアップル・契約キャリアが判定した状態が続いていればApple Watch単独での通話/通信接続が利用可能です。

ただし、A5でも出てきたようにSIMが無効な状態であると判定されるとApple Watchが圏内でも通信/通話が出来なくなるケースがありえます。

A8:複数台のペアリングも可能(ただし”同時”はムリ)

Apple Watch Series 3 GPS+Cellularでは同時に通話・通信をすることが出来るのは当然1回線だけとなりますが、iPhoneに使うSIMが複数あり、それぞれが電話番号共有オプションに加入していれば電話番号を自由に切り替えながら使うことが可能です。

ソフトバンクの場合は1つのオプション加入で最大5台分のアップルウォッチと連携することが出来ます。

最大5台の Apple Watch を登録できますが、登録した Apple Watch の台数に関わらず、一律350円のご利用 料金となります。親回線 1回線 に つき 、最大5台の Apple Watch を登録できます。複数の Apple Watch をご利用いただく場合、 最後に登録された Apple Watch のみ が アクティブ と なります

たくさんのキャリア回線を持っている、ビジネスとプライベートで回線を切り替えながらApple Watchで電話番号・データ回線を使い分けることが出来るのは便利かもしれませんね。

アップルウォッチはドコモ・auの場合はウェブサイトから、ソフトバンクではアップルウォッチ取扱店にて購入が出来ます。電話番号共有のオプション契約は店頭でも出来ますが、iPhoneとのペアリング設定時に表示される画面から簡単に申し込みが出来ます(法人回線・未成年の場合は店頭でのみ受付可能)。

上記以外だと、緊急通報発信は各キャリアと契約時に端末ごとに専用の番号が通知され、ペアリングされた親回線の状況より優先して利用することが可能とされています。

*本ページの内容は各キャリア・アップルストア・公式HPで確認した情報に基づいて記載しています。複数の相手に問い合わせて確認していますが、キャリア別のサービス/契約中のサービスの状況・提供サービスの仕様変更によって利用可否が変わる可能性もあります。一般的な使い方以外の契約・通信方法の実態の正確さ・動作・挙動内容を保証するものではありませんので、各自で詳細・最新情報はを各社の公式サイトで確認してからご利用ください。

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Apple Watch Series3セルラーモデルは格安SIMでは使えない iPhoneのSIMを入れ替えた場合の挙動

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