2016年12月にアップルより発売された「Apple AirPods」から一気に「完全ワイヤレスイヤホン」の製品が増えました。コードの絡まりが絶対に起きない快適な音楽体験をしたいのなら、これからの時代は完全ワイヤレスイヤホンが主流になりそうです。

今回はいくつかある完全ワイヤレスイヤホンタイプの中でも価格が安い、サウンドブランド GLIDiC(グライディック)の Sound Air TW-5000を入手しましたので、レビューをお届けします(5ヶ月使ってみた感想も追記しました。また、2018年12月に改良版TW-5000s・上位版TW-7000が登場・実際に購入して使用していますので、そちらのレポートも合わせて下記で紹介します)。

完全ワイヤレスタイプのイヤホンはオーディオ市場で急激に類似品が増えており、似た形状・コンセプトのイヤホンはたくさんあるのですが、GLIDiCのSound Airは市販価格が1万円を切る、高コスパワイヤレスイヤホンとして「VGP2018 コスパ賞」を受賞しています。

完全ワイヤレスイヤホンというジャンル自体がまだまだ発展途中の製品かと思っていましたが、実際に使ってみるとすでにかなりの完成度&通常のイヤホン・ヘッドホンとは異なるメリット・利用体験を感じることが出来ましたので、完全ワイヤレスイヤホンに興味はあったけれど購入は戸惑っていた、という場合は以下のレビューを参考にどうぞ。

先に公式サイトで価格や仕様を見たい人はこちら→「Softbankセレクション TW-5000

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開封・同梱品

ではさっそく開封していきましょう。

Sound Airはこのような箱に入っています。カラーバリエーションとしてブラックとホワイトの2種類があり、今回入手したのはブラック版です。

箱を開けると、しっかりとクッション素材に梱包されたイヤホン本体や付属品・取扱説明書などが出てきます。

GLIDiC Sound Airの操作が書かれたかんたんガイドと取説があります。ボタンによる操作は独特ですので、初めてワイヤレスイヤホンを使う場合は必ず目を通しましょう(再生・停止ボタン、といったそれぞれにわかり易い物理機能ボタンが存在するのではなく、マルチファンクションキーによる操作が必要です)。

主な同梱品は、イヤホン本体(左右セット)・充電器/バッテリー兼用収納ケース・交換用イヤーピース(大中小)・micro USB用ケーブルです。ACアダプターは付属していませんので、必要な場合は別途入手してください(充電は一般的なスマートフォン用のアダプタや、パソコンからの給電でも行えます)

製品仕様

本体価格 9,864円(税込)
サイズ 25 × 17 × 23 mm
1個 約5グラム(片方)
再生周波数帯域 20Hz~20kHz
インピーダンス 16Ω
Bluetooth規格 Ver 4.2
(A2DP/AVRCP/HFP/HSP)
連続再生 最大約3時間
充電ケース利用時 約10時間
充電時間 約1.5時間・ケース利用時 2時間

iPhone, Androidスマートフォン、パソコンなどBluetoothの規格に対応した機器であれば、ほとんどのデバイスと接続が可能です。スマホでの利用では内蔵されたマイクで通話/応答も可能です。

(より詳しいデータは公式サイトでチェックしてください)

サイズ感

サイズの寸法は先述の通りですが、実際のイヤホンの大きさは思った以上に小型です。

10円硬貨・500円硬貨と比べると、このような大きさです。縦横のサイズはちょうど500円玉と同じくらいでしょうか。

耳に装着すると、以下のようなイメージになります。

仕様書には1個約5グラムとされていましたが、実際に計量してみたところ、2個で9グラムと表示されています(個体差・誤差の範囲でしょう)

接続方法・安定性

Sound Airにはケーブルは一切ありませんので、音楽・音声再生を行うためにはBluetoothでの接続が必要となります。一般的なBluetooth接続が可能なスマートフォン・パソコンならば利用は可能です(対応バージョンが非常に古いもの・特殊な場合は使えないかもしれないので、よく仕様を確認してください)。

接続は非常に簡単で、「右(R)イヤホンのボタンを3回プッシュ(接続モードに切り替え)」すると、接続したい機器に検出されます。

上記はiPhone X(iOS11)で接続を試した画像です。見つかったデバイスの「GLIDiC TW-5000」をタップするだけで、すぐに接続が完了・利用が出来るようになりました。この他、Androidスマートフォン・Windows パソコンでも利用が可能なことを確認しています。

TW-5000では同時に8台までの機器を登録可能です。ただし同時に音声接続されるのは1台のみで、同時に複数機器に接続可能な状態な場合は最後にペアリングされた機種につながるようです(接続機器の切り替えを行う場合は、つながった端末の設定から切断→つなぎたい端末の設定で接続、という操作が必要)。屋内・屋外でパソコンやスマホを使い分ける場合も便利です。

ボリュームの調整や各種機能は接続する端末に依りますが、iPhoneの場合は通知バーに電池残量も表示されます。

右上に、ヘッドホンのアイコンと電池残量アイコンが追加されています(iPhone X, iOS11の場合)。また、iOSに接続している場合はSiriも起動出来ます(イヤホン左右どちらかのボタンを長押し)。

一度ペアリングを行えば、2回目以降はケースから出すだけですぐに再接続されます。接続の安定性は標準的なレベルで、スマホやPCのスグに近くに居る限りはほとんど接続が途切れる・ノイズが入ることはありませんでした(接続機器との相性・他の無線接続との干渉もありえるため、接続が不安定な場合は周辺環境を見直してみましょう)。

接続可能な距離はiPhone Xの場合で4~5メートルほど。見通しの良い同じ部屋にある機器と接続している間は安定した利用が出来ました。一方で、見通しで10メートル以上・扉を隔てて隣の部屋・別の階まで移動してしまうとさすがに途切れます。完全ワイヤレスなため左右も独立して接続が切れることがありますので、なるべく機器から離れず使ったほうが良いでしょう。

音質・装着感・使用感

Sound Air TW-5000はイヤホン本体の重量が1個あたり5グラムと非常に計量ですので、装着感はかなり快適です。

長時間付けていても重さを感じることはなく、耳が痛くなることもありませんでした。ただ、耳へのフィット感によって体感が異なるようで、耳の穴が小さい人に利用してもらった感想ではちょっと違和感があるという評価もあります。交換用のイヤーピースが3種類付いていますので、装着感の最も良いサイズを試してみて下さい。

耳にぴったりと装着しないと音がクリアに入ってこないので、装着する方向には少し気を使って下さい。LEDランプがある方向が斜め下になるように装着すると安定します

また、イヤーピースは特殊な形状ではありませんので、「電車でスマホ音楽を聴くなら必携!コンプライ 防音イヤホンピースを付けるだけで騒音をカット」で紹介した防音性の高い製品に交換することも可能でした。

*イヤーピースを社外品に交換すると、充電ケースに入らなくなる可能性があります。上記のコンプライ製品ではケース収納が可能でしたが、ちょっと浮くためしっかりと押し込んで収納しないと充電が行なわれていない場合がありましたので、交換して使いたい場合はイヤーピース自体の大きさに注意してください。

防水・防汗性能は無いため激しいスポーツ利用を想定している製品ではありませんが、ある程度までは走ったり・ジャンプをする運動をしても、イヤホンが外れることはまず無いでしょう。試しにイヤホンをつけたまま頭を激しく振ってみましたが、耳から抜けることはありませんでした。

耳の穴に完全にイヤホン本体が収まるわけではないため、イヤホンを付けたまま寝ると、横を向いた(枕などに耳を押し当てる)時にはボタンが押されてしまうので、睡眠時の利用はオススメしません。

充電用ケースもコンパクト(実寸で4センチ×4センチ×3.2センチくらい)。ポケットに入れて持ち運ぶにはちょっと厚みがありますが、カバンに入れておくのなら嵩張ることは無い大きさです。

イヤホンを差し込むと、自動で充電が始まります(赤ランプ点灯、充電が終わると消えます)。このイヤホンには電源ボタンが無い(ケースに収納すると電源が切れた状態になる)ため、必ずこのケースを持ち運ぶ必要があります。

仕様上の連続可能時間は1回の充電で約3時間とされています。実際に音楽再生を行ったところ、満充電の状態から3時間10分で残量警告・そこから数分おきにアラートが再生され、3時間25分で完全に電源が切れました(再生中に一切操作を行なわない状態で試しました)。途中で音量調整・曲送り機能や接続切り替えなどを行う場合は連続駆動時間は短くなるでしょう。

超長時間の利用時にはケースでの充電併用が必要となりますが、毎日の通勤・通学くらいなら保ちそうです。充電しながら利用することは仕様上出来ませんので、充電切れが気になる場合は2セット(イヤホン4個)を買って交互に使うしかないでしょう。2018年時点で完全ワイヤレスタイプのイヤホンで何十時間も連続利用が出来る製品はありませんので、ここは妥協が必要です。

音質に関しては、小型のイヤホンとしては十分なクオリティになっていると感じました。低音はやや弱めで、高音~中音域のボーカル領域は聞き取りやすいです。好みの問題もありますが、イヤーピースをコンプライ製品の遮音品に交換したところ、低音の響きも良くなった気がします。

接続機器側でサウンドコントローラーを使って各音域の強弱を調整すれば、好みに合わせて音楽を聞くことが出来るはずです。

製品/型番 1回充電分の
最大再生時間
イヤホン1個の
重量
参考価格
GLIDiC TW-5000 約3時間 約5グラム 9,864円
SONY WF-1000X icon 約3時間 約6.8グラム 26,870円
Jaybird RUN 約4時間 約6.8グラム 22,610円
Apple AirPods 約5時間 約4グラム 18,144円
BOSE SoundSport 約5時間 約9グラム 29,160円
Galaxy Gear IconX 約7時間
(内蔵データ再生時)
約8グラム 約2.4万円

有名メーカーの完全ワイヤレスイヤホンでもスマホ接続での音楽再生は最長5時間程度です(ケースでの複数回充電をすれば長時間使えます)。また、価格面でのDLIDiCの安さが際立っています。他社完全ワイヤレスイヤホンの半額程度で購入が出来ますので、2セットを購入して交互に使うことで長時間の移動時にも・・・ちょっと贅沢すぎる使い方かもしれませんが、利便性を追求したい人は複数購入もありかもしれません。

[追記]5ヶ月TW-5000を使ってみた感想

最後に購入後5ヶ月間使ってみた感想を追記しておきます。

普段はPCとiPhone Xの音楽再生用としてTW-5000を使ってみたところ、接続安定性・連続利用可能時間はほぼ購入当時の印象のまま、性能を理解して使えば特に不便に感じる場面はありませんでした。

一つ長く使ってみて気づいた不満な点として、充電ケースがバッテリー残量が少ない状態において、それと気付かずイヤホンを戻す→充電が始まる→ケースのバッテリーが切れる→イヤホンがケースから外れたと認識されてしまい、Bluetooth接続連携済みの端末と意図せず繋がってしまう、ということがありました。耳に装着していなくても連続で接続をしつづければバッテリーの消耗が続き、気付くとケース・イヤホンともに電池切れを起こしているという自体に何度か遭遇しました。

ケースのバッテリー残量を確認できるインジケーターでもあればこのようなミスは減りそうですが、そのような機能はTW-5000にはありません。充電ケースは可能な限り1回以上の充電可能残量をキープするしかなさそうです。

製品の総評として、GLIDiC TW-5000は初めての完全ワイヤレスイヤホンを試してみるには十分にお手軽な価格と性能を持っていると思います。

☆「ソフトバンクセレクション GLIDiC Sound Air(TW-5000)を購入する

TW-5000のセール情報

2018年3月現在、とある条件を満たすとGLIDiC Sound Air TW-5000を通常価格より安く買う方法があります。

ソフトバンクセレクションではYahooショッピング内にも公式販売ページを持っており、「Yahoo!プレミアム」である場合には2018年4月1日まで利用できる10%OFFクーポンが獲得できる場合があります。

さらに、各種条件を満たすと以下のようなポイント倍率アップも狙えます。

通常価格 9,864円
クーポン値引き -986円
通常ポイント 440Tポイント(5倍)
上乗せポイント
(各種条件あり)
Yahooプレミアム会員5倍:352Tポイント
Yahooプレミアム限定掲載ストア特典+5倍:440Tポイント
Yahoo! JAPANカード支払+2倍:176Tポイント
Enjoyパックボーナス+5倍:440Tポイント
合計 実質 7,030円
(8,878円 – 1,848Tポイント(21倍還元時)

還元条件・販売価格は2018年3月16日に確認したものです。

通常価格よりもかなり安く買えるチャンスですので、各種条件でポイントアップを狙える・クーポン対象者の方はチェックしてみてください。

後継モデル TW-5000sレビュー

2018年11月14日、GLIDiC Sound Air TW-5000の後継機あるいはアップグレードモデル「Sound Air TW-5000s」が発表・発売されました。

外観・性能はほとんど旧モデルのTW-5000と同じですが、新たに「Multi-communication Mode(外音取り込み機能)」が追加されています。完全ワイヤレスイヤホンはその形状から、頻繁に取り外しを行っているとポロっと手から落としてしまうこともあり、紛失・故障の遠因となってしまう可能性が高まります。

そこでマルチコミュニケーション・モードを使うことでイヤホンを耳から外すことなくモードを切り替え、用事が済めばまたそのまま音楽モードに戻ることが出来ます。ショッピング時の店員との会話/応答・電車のアナウンスなどを聞きたいときに便利です。

その他旧モデルとの違いはBluetooth ver5.0に対応したことがあります(旧モモデルは4.2まで)

ソフトバンクショップの販売価格は9,860円(8%税込み)とされています。

連続再生9時間 上位モデル TW-7000

 

価格は少しTW-5000/5000sより高くなりますが、「より長時間音楽を楽しみたい」というのであれば、断然こちらがオススメです。

2018年12月21日発売(発表当初より遅れました)となったSound Airの上位機種 TW-7000は、なんとTW5000シリーズに比べて1回の充電で3倍の9時間連続音楽再生が可能になった、超ロングライフモデルです。この電池持ちは完全ワイヤレスタイプのイヤホンではトップクラスです。

実際に管理人も購入してTW-7000を利用中です。旧型TW-5000に比べてやや本体が大きくなりましたが、「電池が3倍保つ」というメリットのほうが断然嬉しいです。

関連記事:完全ワイヤレスイヤホン 1回の充電で長持ちするイヤホンランキング

実際にTW-5000を1年間使ってきて、ちょっとだけ物足りないと感じていた「1回の再生時間」を、TW-7000は一気に解消してくれます。

イヤホンのデザイン・サイズは少し大きくなり、約y5.0グラム→約6.5グラムに変更になったたものの、これだけ電池持ちが良くなれば全然許容範囲でしょう。またケースの容量もアップし、本体で9時間・ケース併用で最大25時間の利用が可能となりました(TW-5000/5000sは単体3時間・ケース併用10時間)。

TW-5000ではイヤホンの背面そのものがボタンになっていましたが、TW-7000では本体横に小さなボタンが別途搭載されています。操作性は・・・どちらが良いかは何とも言い難いところですが、買い替え時にしばらくは慣れが必要でした。

一般的な通学・通勤時間であれば「連続3時間使える」という仕様でも電池切れを起こす頻度は多くないかもしれませんが、国内移動であっても新幹線や飛行機を使うような長距離移動時には3時間では物足りないことも多くありました。これがTW-7000に買い替えると、日常利用で電池切れに合うことはほとんど皆無になっています(9時間連続で音楽を聴くことなんて、まず日常ではないでしょう)。

ソフトバンクでの公式価格は14,990円(税込)となり、通常モデルの1.5倍のお値段となります。1回の利用が毎回3時間未満であるというのならTW-5000シリーズを選んでも機能における実用上の差はほとんとないため、用途に合わせてTW5000/TW7000のどちらかを選んでみてください。

カナル型完全ワイヤレスイヤホンGLIDiC Sound Air TW-5000/5000s/TW-7000レビュー 利用可能時間と装着感

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